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本音の家造り パート2

なぜ、大工によってそんなに家の出来が違うのか?
昔は大工さんと言えば棟梁がいて、難しい仕事をしながら、何人かの弟子に簡単な部分をやらせる。
つまりいく人かで家を建てていくやりかたでした。
が、今はそのほとんどが弟子を持たない一匹狼の形をとっています。
大工になろうという人が減ったせいもありますが、
仕事の受け方が「手間受け坪評価」、つまり建て坪にたいして、坪いくら(坪五万~七万が洋風の家、六万~十万が和風の家で、その家の凝りかたによって違う。)というやり方によるところが大きな理由の一つです。

もっと砕いて話すと、建坪四十坪の家で、大工手間が坪六万とすると、大工の手間代(職人の工賃を手間という)は、四十坪×六万で二百四十万、大工の工期は早い人でだいたい三ヶ月、遅い人で五ヵ月ですから、月八十万~五十万となります。
サラリーマンと比較すると高級みたいですが、年中休みなく仕事があるじゃないし、保険は入っていない、一番金のかかる道具、金物代(月に十万~二十万)は自前、一番働ける時期が三十代~四十代まで、(それでも年収一千万以上の人もごろごろいます)と、そんなに楽な職業でもありません。
ですから、弟子を抱えてトッチンカッチンとのんびりやっていけない、「だから一人でやっていく」、となるのです。

話はもとに戻りますが、ではなぜ大工によって違うのか?
今書いたように大工は坪いくらで仕事を請負けます、家一軒の請負金額がきまっているので、本人としては、早く仕上げて、次の物件に掛ったほうが収入が多くなります。
つまり手抜きをしてでも、早くその家を終わらせた方が良いのです。
手抜き場所は当然目に見えない部分、つまり構造部となります。
人でいえば骨の部分なのだから、これを手抜きされたのではたまりません。
大工も昨今の医者と同じで、医術よりも「算術」なのです。
もちろん、金よりも、プライド、技術、信用、といった大工もたくさん?います。
自分たちは、直接大工さんと仕事を共にしているので、誰がそうで、誰がそうでないかをよく知っています。

これで、「その家の出来が大工によって決まるし、いい大工とは、どんな大工か」が解ったと思います。

話は変わりますが、先の阪神大震災で、いかにも木造が駄目でプレハブ住宅が良いみたいに報道されましたが、これは全くの間違いです。
重い瓦が地震に弱いのは確かでしょうが、木造が悪いわけでわありません。
倒れたのが昔の家で、木造瓦ぶきが多いのは確かですが、昔の対地震に対する建築基準は今よりもずっと甘く、皆それで建てられていたのです。
第一、建築基準がやかましく、構造計算までして建てられた、高速道路の橋桁までが倒れたのです。
真下の淡路島の木造が倒れても不思議ではありません。
木造が駄目というのは、大手プレハブメーカの汚い陰謀なのです。
それでも調査の結果、倒れた家の基礎に鉄筋が入っていない、土台を基礎に乗せたままで金物で止めていない、などのひどい手抜き工事があったそうです。

本当に悪いのは、木造ではなくて、手抜きをした建築屋なのです。

次回こそ、「本当に安心できる工務店とはどんな工務店か」、を話したいとおもいます。